構造材構造・工法

ランバー(406mmピッチ)

木造枠組壁工法(2x4工法)に通常利用されている樹種について

現在、輸入されている北米のディメンションランバーは3種類あり、そのうち最も多量に入っているのがS・P・F(スプルスパインファー)という材です。次にHem-Fir(米ツガ)、最後にD-Fir(米マツ)という順になっています。
2×4 JAS別表2(表1)ではもっと詳細な分類がなされており、大別すると5種類になっています。しかし、他の樹種は輸入量が非常に少ないため、実際には以上の3つの樹種が主流になっております。

〔表1〕の樹種グループの略号中S−I(エスイチ)、S−II(エスニ)のSはSOFT WOODの頭文字で、ソフトウッドとは針葉樹の事。また、広葉樹はHARD WOOD(ハードウッド:堅木)と北米では呼んでいます。IとIIの区別は強度的観点からのおおまかな分け方であり、強度的にはS−IIよりもS−Iの方が優れています。

*表1 枠組壁工法構造用製材の日本農林規格(別表2)

樹種グループの略号 樹 種
S−I D.Fir-L ダグラスファー、ウェスタンラーチ、クロマツ、アカマツ、ダブリカカラマツ、その他これらに類するもの
Hem-Tam パシフィックコーストイエローシーダー、タマラック、ジャックパイン、イースタンヘムロック、カラマツ、ヒバ、ヒノキ、タイワンヒノキ、その他これらに類するもの
Hem-Fir パシフィックコーストヘムロック、アマビリスファー、グランドファー、ツガ、その他これらに類するもの
S−II S.P.Fまたは
Spruce-Pine-Fir
バルサムファー、ロッジポールパイン、ポンデローサパイン、ホワイトスプルース、エンゲルマンスプルース、ブラックスプルース、レッドスプルース、コーストシトカスプルース、アルパインファー、モミ、エゾマツ、トドマツ、オウシュウアカマツ、メルクシマツ、ラジアタパイン、その他これらに類するもの
W Cedar ウエスタンレッドシーダー、レッドパイン、ウエスタンホワイトパイン、スギ、アガチス、ベニマツ、その他これらに類するもの

*ある特定の樹種の組合わせについては取引きの慣習上、単一の樹種として表示します。実際にも性能上類似しており使用面でも相互に代替されています。

基本構造の樹木の種類と強度

等級及び寸法

北米で生産されているディメンションランバー(標準規格材)はすべて統一等級基準に基づいて製材され、等級がつけられています。さらに強度上では等級別、樹種別に各種の許容応力度の数値が決められており、構造材として合理的な裏付けがなされています。
プレーナー加工材は正確な寸法に仕上げられており、たとえば、2×4(ツーバイフォー)材の2×4は呼称であって、未乾燥材の正味断面寸法は40mm×90mmに規定されています。(乾燥材は38mm×89mm)

ディメンションランバー(標準規格材)
乾燥材実寸 2×4 38mm × 89mm
2×6 38mm × 140mm
2×8 38mm × 184mm
2×10 38mm × 235mm
2×12 38mm × 286mm
4×8 89mm × 184mm
※G,R材 4×6 89mm × 140mm

ウインテックハウスで使用されている構造材の寸法は上表の通りです。
乾燥材とは含水率が19%以下のものを言います。
ウインテックハウスでは土台以外全て強制乾燥(K.D:キルンドライ)された材料を使用しています。

※土台に使用する4×6材は、K,D材を防腐・防蟻処理する為、含水率上はG,R(グリーン)材となります。

樹種と特徴

1.ダグラス・ファー(米マツ) [D-Fir]
北米産木材のうち、最も優れたもののひとつで、商業用針葉樹の中で最大の強度を持っています。
ダグラス・ファーは精巧な建築を行うための必要条件をすべて備えており、堅牢さ・強度・作業性も良く、そり・ねじれが比較的少ない構造材です。
枠組壁工法用ディメンションランバーとしてこれに勝るものはありません。

2.ヘム・ファー(米栂)[Hem-Fir]
2×4住宅の構造材としては現在はあまり使用されていませんが、日本の在来工法の柱には数多く出廻っています。
構造材としてはダグラス・ファーに比べ、これといった特徴・長所は見当たらなく価格はそれなりに安価ですが、構造材としては反り、ねじれ等が現れ易く、現在構造材としてはあまり使用されておりません。
主に外部デッキ材に使用されています。また無節材はドアなどによく使われています。
ウインテックハウスで使用している階段材、額縁等の造作材はヘム材です。

3.スプルスパインファー[S.P.F]
産出量が多く白木の美しい肌が好まれています。ダグラス・ファーに比べ強度が比較的弱いのですが、日本では2×4住宅の構造材として多く使われております。現在日本では、約80%以上の2×4工法住宅がS.P.F材で建てられています。
S.P.Fはカナダのブリティッシュコロンビア州内陸部の主要生産材で、生産量はブリティッシュコロンビア州の木材生産量の約50%に相当します。
木目が通ってきめがなめらかなため、加工や釘打ちがしやすく、軽いので作業性が良いのが特徴です。
また、外観が白っぽく、比較的節が小さいため造作材・化粧材としてもなじみがあります。
日本では,障子の桟などにも使われます。
ウインテックハウスでは、構造材にこのS.P.F材を使用しています。

構造用合板【構造用合板】
ウインテックハウスで使用される構造用合板はアメリカ、カナダの製品規格に基きAPA(エ−ピ−エ−:エンジニア−ドウッド協会)、COFI(カナダ林産業審議会)の厳格な検査に合格したスタンプが押してあります。

■樹種
針葉樹合板にはダグラス・ファー合板(DFP)と、カナディアン・ソフトウッド合板(CSP)の2種類があります。
DFPは表裏面単板にダグラス・ファーが使われています。CSPはダグラス・ファー以外のブリティシュ・コロンビア州産の精選された針葉樹が使われています。

■規格
ウインテックハウスで使用する針葉樹合板は,日本農林規格(JAS)の構造用合板の品質基準を全て満たしています。
とくにアルカリフェノール樹脂系の接着剤を使用していることから、その製品は完全耐水性を有する「特類」として格付されます。
APA・COFIの合板工場はそれぞれJAS認定工場として、針葉樹のJAS特類2級構造用合板を製造し、1枚ごとにJASマークを押印しています。

■接着剤…アルカリフェノール樹脂
アルカリフェノール樹脂系接着剤の特徴は、生物劣化や化学変化が少なく、耐久性に優れていることです。
アメリカ農務省林産試験場(ウェスコンシン州マジソン市)で実施された合板の屋外曝露実験でも耐久性が実証されています。

■ゼロホルマリン
針葉樹合板にはその特性を現すゼロホルマリンのロゴが梱包及びパネル毎に印刷されています。
「構造用合板の日本農林規格(農林水産省告示第1371号)」の定量試験方法に従って、針葉樹合板のホルムアルデヒド放散量の試験を行いました。
その結果検出された放散量は0.01mg/L(ほぼ0.01ppmに相当)未満となり、これはJAS規定値のうちの最も安全なF☆☆☆☆(フォースター)のさらに50分の1にも満たないことが判明しました。
なお、国土交通省、経済産業省、厚生労働省などで構成する健康住宅研究会発表の室内空気汚染低減のためのガイドラインは0.08ppmです。

ウインテックハウスで使用する構造用合板は、健康に悪影響のあるホルムアルデヒドの放散がほとんど無いことが実証されています。

ウインテックハウスの標準仕様

1階床下地合板
1-1/8”(厚さ28.5mm) 4’×8’(サイズ1,220mm×2,440mm)【DFP、T&G】
T&Gとは本実加工のことで、構造材と組合せたときのダイヤフラム構造を完全なものにするのに役立ちます。
外部用の合板として工事中の雨ぬれはもちろん、湿気の多い場所での使用にも充分耐える合板です。
ウインテックハウスでは、この合板を1階の床下地合板として標準採用しています。
2階以上の床下地合板は3/4”(厚さ 19.5mm)です。

外壁下地合板
1/2”(厚さ12.5mm) 4’×8’(サイズ1,220mm×2,440mm)【DFP】
完全耐水合板として認められ、また耐久性にも優れており外壁下地合板としては最高のものです。
日本の2×4住宅は9.5mm厚の合板が主流となっていますが、ウインテックハウスは12.5mm厚を標準採用しています。

屋根下地合板(野地合板)
1/2”(厚さ12.5mm) 2’×8’(サイズ610mm×2,440mm)【CSP】
CSPとはカナディアンソフトプライウッド(CANADIAN SOFT PLYWOOD)の略です。
こちらも完全耐水合板として認められています。
ウインテックハウスでは施工の効率と安全性確保のために2’×8’のサイズを使用しています。
(4’×8’サイズの合板は重量がある為、持ち上げ作業、取扱いを一人で行うことが困難です)

  • 1階床合板
  • スタッド(間柱)
  • 壁合板
  • 2階床根太
  • 2階床合板
  • 2階天井根太
  • 屋根タルキ
  • 屋根合板